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私の趣味嗜好を決定づけた(かもしれない)偉大な作家・
稲垣足穂について。
出会い等、少しずつ書いてみたいと思います。
小学生の頃、私は暇さえあれば本ばかり読んでいる子供でした。
小学校3年までは県立図書館奄美分館のそばに住んでいたこともあり、毎日のように図書館通い。(2年生くらいの時にパール・バックの「大地」を借りたら、受付のお姉さんに、『こんなの読めるのぉ?』と嘲笑気味に言われたのが悔しかったことを今でも鮮明に覚えている←根に持つタイプかも)
"スモモの里"に引っ越してからは、学校図書館の本を読み尽くす程の勢い。読みかけの本の続きが気になり、授業中にこっそり読んで、後ろの席の男子に『marumiさんがカンニングしてま~す』と言われたこともありましたっけ…。
ついに手頃な子供向けの本もなくなり、手を出したのが親の蔵書。小学校の高学年頃には家の書棚をあさりまくっていました。
そして読んだ「日本文学全集」。確か灰色のケースに入ったその本の中に
稲垣足穂の『A感覚とV感覚』が収められていたのです。もちろん、小学生に理解できる訳はありません。
A感覚とV感覚 (河出文庫―稲垣足穂コレクション)(理解できたら、恐ろしすぎです)だけど、文章のキラメキとかが、なんだか記憶にひっかかったようで…。
再会したのは、中学生の時に読んだ『一千一秒物語』。そう、言わずと知れた
稲垣足穂の代表作ですね。
その時に、“あっ、これはあの時の!”と、頭の中で何かがスパーク!!すっかり足穂にはまってしまったのでした。(これは、文句無く傑作です。私は、もう少ししたら、子供にも読んであげるつもり)
足穂の文章は、とにかくキラキラしています。少年愛とか、本人の怪異さとか、エロチシズムとか…そういうところに注目が行ってしまいがちですが、ある意味、本気で子供というか…、恐ろしく純粋なところが一番の魅力なのでしょうね。
足穂にはまったおかげで、あがた森魚様にも出会ったし、松岡正剛氏
(参考・松岡氏の千夜千冊・一千一秒物語の項)も知りました。私の人格形成に少なからず関与しているはずです。